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狡知 16 「キャンセルカルチャー」

ところで私は五輪反対派だ。

「五輪反対派にとって当時、小山田圭吾は単なる道具だった(過去記事「狡知 03 「東京2020」 | 敬称略雑記」)」などと真顔で言い放つほどの五輪反対派だ。

大会組織委員会は小山田圭吾のいじめ問題を把握していなかったなどと舐め腐った認識を持ちながら任命責任がなんだかんだとドヤ顔で拡散するクズがたまにいる。まあ別にそれを言うのは自由だ。しかしそのソース、覚えておいでだろうか。

「小山田さんが謝罪をされて、私どもも十分理解しました。彼は今、現時点において十分謝罪をして、反省をして、倫理観を持って行動したいと言っておられます。当初、そういうことを知らなかったことは事実ではありますけれども、現時点においては、小山田さんの弁明というものをおうかがいして、引き続き、この(開幕直前という)タイミングでありますので、彼には支えていただきたい、貢献していただきたいと考えています」
--- 組織委が小山田圭吾氏の留任明言 武藤氏「謝罪され、十分理解」 - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ

イラつく事にどうやら東京2020、最低限の形は成したらしい。おめでとう。仮に大会組織委員会が無能であれば、私がここでイラつくこともなかったわけだ。つまり残念な事に大会組織委員会は有能だった。

さてその有能なる大会組織委員会、小山田圭吾のいじめ問題を把握していなかったのだろうか。

当初、そういうことを知らなかったことは事実ではあります」という表現は政治的な色合いが強いように私には見える。大会組織委員会は「有能」であったという前提でこの発言を紐解けば、なかなか興味深いと言わざるを得ない発言だ。

知らなかったか否かの真偽はまず置いておこう。
任命前の調査段階を当初と言うのならば、あの両誌面について知らなくて当たり前だ。

問題は、大会組織委員会が「知らなかった」で済ませようとした事だ。

小山田圭吾が東京2020に参加した経緯は未だ不透明だ。大会組織委員会はその経緯の説明責任、そして、任命責任があるのではないか。国民への責任と、小山田圭吾に対する責任、その両側面で、だ。小山田圭吾に対する任命責任というのは、正しくやめさせる責任、やめさせた後に配慮する責任、つまりは小山田圭吾を守る責任が含まれるのではないか。
炎上当初7月16日の声明は炎上した時のために小山田圭吾と山崎洋一郎とで予め書いていたものではないかという最早訳の分からない領域に至るほど妄言を重ねてしまった私だ。そんな私からあえて言わさせてもらおう、東京2020にウンコバックドロップ(デマです)を持ち込んだ責任が小山田圭吾には、ある。
しかしそれに連座するべきは、まず大会組織委員会、そして小山田圭吾だ。

小山田圭吾のいじめ問題と、それを商業誌で安易に利用した事、それを東京2020に持ち込んだ事は本来別々に考えるべきだと私は考えている。 数十年前のいじめ問題に大会組織委員会と出版二社を連座させても意味がない。 同時に、東京2020にウンコバックドロップ(デマです)を持ち込んだ問題に出版二社を連座させても意味がない。

事の経緯を全て明らかにし、検証し尽くし、そしてそれが正確に、一言一句違わず、正式な公文書として未来へと永久に語り継がれることを私は心の底から望む。

さて前回(「狡知 15 「深層 後編 後編」 | 敬称略雑記」)、小山田圭吾による7月16日付けの声明(以下、7月声明)と9月17日付けの声明(以下、9月声明)を比較し、どうもおかしな動きが裏にあるんじゃあないかと存分に疑心を煽らせてもらった。それはまあ単なる個人的な趣味だ。 そして今回、小山田圭吾に対しさしたる興味も無い私がなぜ延々と小山田圭吾がどうこう言い続けているのかという部分に触れながら、なぜホロコースト問題にこだわるのか、そして大会組織委員会の責任逃れについても説明したい。

小山田圭吾問題、お人好しのクズどもから見ればキャンセルカルチャーなのだろう。しかし私から見ればキャンセルカルチャーではない。 どういうことか、当時を思い出しながら語らせてもらおう。

官邸の意向

小山田圭吾辞任の決定打となったものは何だったか、おさらいしておこう。

 結果的に小山田氏に引導を渡したのは、加藤官房長官だった。19日午前の会見で「イジメや虐待はあってはならない行為」と批判し「大会組織委員会が適切に対応してほしい」と、組織委に迫っていた。組織委は昼時点では小山田氏留任の意向を表明していたが、さすがにこれ以上世論を敵に回せなかった。
--- 【東京五輪】「イジメ自慢」小山田圭吾の急転辞任に菅官邸“介入” 五輪開幕直前スキャンダルに場当たり対応|日刊ゲンダイDIGITAL

小山田圭吾「辞任」の決定打となったものは「官邸の意向」だ。

開会式直前、官邸はこの問題に言及し、大会組織委員会の人事へ実質的に介入した。 一般的には、支持率がとか世論がとかそういう話として語られていた。 しかしそもそもよく考えてほしい。 世論としておよそ半数が東京2020の開催に関し積極的ではなかった当時、仮にそれが功を奏したとして内閣支持率が何かしらの意味を持つほど上がるだろうか。

つまり官邸は、そういう物を抜きにしても、そう言わざるを得なかったのではないか。

小林賢太郎

小山田圭吾問題を語る上で、小林賢太郎に言及する必要がある。

(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会による小林賢太郎氏の解任について)
御指摘の件につきましては、言語道断、全く受け入れることはできません。
(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会による小林賢太郎氏の解任について(再))
このことは、あってはならないことですから、そこのことについては秘書官を通じて、これは受け入れられない、そういう対応をしました。
--- 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会による小林賢太郎氏の解任等についての会見

東京五輪の開会式が翌日に迫る7月22日、小林賢太郎は解任される。
過去のコントの中でホロコーストを扱っていたためとされている。

「言語道断」、ここにも「官邸の意向」があった。

ホロコースト

ホロコーストとは、ナチス政権とその協力者による約600万人のユダヤ人の組織的、官僚的、国家的な迫害および殺戮を意味します。 「ホロコースト」は「焼かれたいけにえ」という意味のギリシャ語を語源とする言葉です。 1933年1月にドイツで政権を握ったナチスは、ドイツ人を「優れた人種」であると信じる一方、ユダヤ人を「劣った人種」であると見なし、いわゆるゲルマン民族のコミュニティに対する他民族による脅威であると考えました。
--- 「ホロコーストについて | ホロコースト百科事典

確かに「言語道断」だ。
しかし、それだけだろうか。

アルバート・ブーラ

あまり知られていないように思うが、コロナワクチン供給元であるファイザー社CEOアルバート・ブーラの両親はホロコーストサバイバーだ。

私の人生にとって、両親から聞かされたホロコースト時代の経験は、私の世界観にとてもインパクトを与えてくれました。今回、初めて両親のホロコースト時代の経験を公の場所で話しました。
ファイザーCEOアルバート・ブーラ氏、ホロコーストを生き延びた両親の経験を初めて語る(佐藤仁) - 個人 - Yahoo!ニュース

ファイザー社

ファイザー社、どういう印象を持っているだろうか。アメリカの製薬会社、新型コロナワクチン供給元、そんなところではないか。

22年1月現在この記事を書くにあたり、ちょうどいい記事が公開された。

このような不平等な状況がもたらす危険性は、変異株オミクロン株の出現によってより明確となった。オミクロン株がどう変異、発生したのかはまだ明らかになっていない。しかし科学者たちは以前から、世界の大部分の地域でワクチンが接種されなければ新たな変異株が発生すると警告してきた。
--- 自社利益を最優先したファイザーは新型コロナワクチンでどれだけ儲けたのか(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

このYahooニュースに掲載された記事は、courrierにて掲載された連載記事(全3回)の1記事目だ。 以下、2記事目、3記事目、から引用を行う。

トランプ政権下でワクチン開発と確保の責任者を務めていたモンセフ・スラウイは、かつてグラクソ・スミスクラインに勤務し、ワクチン開発のリスクも理解していた。
しかし、そんな内情を知る彼でさえ、ファイザーが高額をワクチンに要求してきたことには大きな衝撃を受けた。感情が高ぶったスラウイは、交渉の場でブーラに対し、「100年に一度のパンデミック」から利益を得ようとしているようだと警告したという。
--- “100年に1度のパンデミック”でワクチンを手にした企業が「儲けを優先」するのは不道徳か | 誰もがワクチンを欲しいという状況につけこんだ | クーリエ・ジャポン

国連合同エイズ計画(UNAIDS)トップのウィニー・ビャニーマは、そのインタビューを読んで身震いしたという。「彼は世界を救っていません。救うことができたはずなのにそうしなかったのです」と、アフリカでのワクチン接種率が非常に低いことを指摘した。
--- ファイザーはワクチンを確保したい途上国から、国家財産を担保に差し出させようとした | 人類の危機に際しても、優位な立場を使って利益を巻き上げ | クーリエ・ジャポン

市中における「ファイザー」に対するイメージとは少し違う印象を持たなかっただろうか。 少なくともあらゆる交渉に際し万全の体制で望まなければならない相手であることは言うまでもない。

菅義偉

そしてこれもあまり知られていないように思うが、小山田圭吾辞任の4日後、小林賢太郎解任の翌日、菅義偉はファイザー社CEOアルバート・ブーラと新型コロナワクチン供給に関する会談を行う。

 菅義偉首相は23日、米製薬大手ファイザー社のブーラ最高経営責任者(CEO)と東京・迎賓館で会談した。両氏はワクチンの「安定的な供給」などについて意見交換したという。
--- 首相、ファイザーCEOと会談 ワクチン安定供給協議

「言語道断」という言葉が先行し、その背景はあまり語られていない。しかし官邸が大会組織委員会の人事へ実質的に介入した「官邸の意向」、その正体が見えてきただろうか。

キャンセルカルチャー

当時はワクチンの確保が問題になっていた。 2021年夏の新型コロナ第5波による病床逼迫の中、各国間での争奪戦の様相を呈していたように思う。

製薬はもちろん、政治、情報、あらゆる面でファイザー社が有能であることは言うまでもない。 そのファイザー社が23日の会談に向け、何を準備するだろうか。

仮に官邸が小林賢太郎について言及せず23日のファイザー社CEOとの会談に望んだ場合、何が起こるだろうか。少なくとも、とてつもなく気まずい会談になるのは目に見えている。しかし現実には東京2020以降、ワクチン摂取は加速度的に進み、新型コロナ第5波の封じ込めに成功する。

誰かの命を危険に晒すかもしれないからキャンセルする。
誰かの命を救うかもしれないからキャンセルする。
小林賢太郎はどちらだったのだろうか。

そして、小林賢太郎の解任をただのキャンセルカルチャーだったと言い切っていいのだろうか。

俯瞰して見れば確かに典型的なキャンセルカルチャー事案にも見える。

では小林賢太郎は本当に、大衆の声によりキャンセルされたのか。 「官邸の意向」、ファイザー社CEOアルバート・ブーラとの会談へ万全の体制で望みたいという「官邸の意向」によりキャンセルされたのではないのか。

一国の宰相が民間企業の顔色をうかがうのか、そう思うのも分かる。 しかしファイザー社というものがどういう存在か、思い出して欲しい。 そして改めて2021年の夏の新型コロナ第5波はどういう状況だったか、思い出して欲しい。

私個人はこの「官邸の意向」、仕方がなかったと思っている。
そして、キャンセルカルチャーではなかったと思っている。

「小林賢太郎の件はキャンセルカルチャーだった」

そう言えば言うほど、「小林賢太郎の件はキャンセルカルチャーだった」と記号化され、細部は削ぎ落とされていく。小林賢太郎がキャンセルされた意味を、キャンセルカルチャーの啓蒙に見出すのもいいだろう。それは同時に、小林賢太郎がキャンセルされた意味を、その程度で語っていることを意味する。そこに、小林賢太郎のキャンセルが誰かの命を救っているかも知れない事を語る余地はあるのだろうか。

小林賢太郎がキャンセルされたことは事実だ。 小林賢太郎がキャンセルされたと怨嗟の声を上げ続けるのも個人の自由だ。 ところでその怨嗟の声は誰に向けて上げられているのだろうか。 大会組織委員会だろうか、それとも官邸、あるいはマスコミ、小池百合子か、そして時として「市民」に対し怨嗟の声を上げてはいないだろうか。 市民のキャンセルカルチャーに対する無知を呪い、結果として呪われるのは小林賢太郎だ。

小山田圭吾

これは小山田圭吾に関しても等しく言える。
上述した「キャンセルカルチャー」の「小林賢太郎」をウン… もとい「小山田圭吾」と読み替えて見ればいい。

「密室ものとして。あと黒板消しはやっぱ必需品として。〝毒ガスもの〟として(笑)」
---「いじめ紀行 小山田圭吾の巻」 062p (村上清、『Quick Japan 第3号』1995年 太田出版)

小山田圭吾問題はホロコースト問題にすら触れうる。「そう読める」物を「そう読むほうが悪い」と捨て置き、「そう読まれた」時にそれがどこまで通用するか試したものが一連の炎上だ。さらに「密室もの」「毒ガスもの」が「そう読まれた」とすればどうなっていただろうか。「そう読むほうが悪い」って言ってみる?

いじめ自体は数十年前の話だ。あらゆる証明は最早叶わない。 それを逆手にとり「いじめ」を記号化し「遊びだった」「~しただけじゃん」と矮小化する「技術」が小山田圭吾擁護の文脈で盛んに用いられている。

さていいかげんお気づきだろうか。

それが、小山田圭吾の善性を強力に説きうるこの「誰かの命を救うためにキャンセルされた」という筋書きへ傷を付けまくっている事実に。 一方的に叩かれれば叩かれるほど本来これは「威力」を持つ。 しかしご想像いただきたい。「いじめ」を「遊びだった」「~しただけじゃん」「友達だった」などとほざき散らかした上でこの筋書きを持ってきてみよう、不思議な事にとんでもない腐臭を放ち始めたではないか。 この筋書きは本来、あらゆる言い訳や打算等と無縁でなければならない。 同時にこれは、小山田圭吾がその過去と真正面から向き合う事をなんら阻害しない。 小山田圭吾が過去と真摯に向き合ったその結果へ、実はこうだったのだ、と付随させてこそ価値があるのだ。

まあ、それを俺がウンコだのオナニーだの喚き散らしながらここで大開陳しているわけだが(笑)

しかしその筋書きが日の目を見ることはないだろう。なぜだろうか。私のせいではない。私は北尾修一のファンであるゆえに、それは北尾修一のせいだ、と言いたい。しかし北尾修一もあれはあれで一応人間だ。北尾文書は緊急回避策であった、私はそう思っている。これに関しては、あれを批判出来なかった小山田圭吾擁護派であるところのお人好しのクズどもが悪い。

大会組織委員会

(アルバート・ブーラは)その数週間後には、東京オリンピック開会式出席のために日本を訪れ、当時の菅義偉首相から歓迎を受けた。迎賓館赤坂離宮に企業のトップとして迎え入れられたのは、彼が初めてだった。
--- 自社利益を最優先したファイザーは新型コロナワクチンでどれだけ儲けたのか(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

第三節 組織委員会への国の職員の派遣等(組織委員会による派遣の要請)第十六条 組織委員会は、大会の準備及び運営に関する業務のうち、スポーツに関する外国の行政機関その他の関係機関との連絡調整、大会の会場その他の施設の警備に関する計画及び選手その他の関係者の輸送に関する計画の作成海外からの賓客の接遇その他国の事務又は事業との密接な連携の下で実施する必要があるもの(以下「特定業務」という。)を円滑かつ効果的に行うため…(略)
--- 令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法 | e-Gov法令検索

大会組織委員会は、菅義偉とファイザー社CEOアルバート・ブーラの会談を知っていたはずだ。
そして当然、大会組織委員会が、東京オリンピック開会式に出席するアルバート・ブーラの両親がホロコーストサバイバーであることを知らない訳がない。

焦点は、小山田圭吾問題がホロコースト問題に触れうるか、だ。

大会組織委員会とファイザーが無能であれば、以下の読み方をする。

20分後、『夕刊フジ』の地下鉄サリン事件増刊号を小脇にかかえながら、コーネリアスはいきなり目の前に現れた。
---「いじめ紀行 小山田圭吾の巻」 055p (村上清、『Quick Japan 第3号』1995年 太田出版)

「密室ものとして。あと黒板消しはやっぱ必需品として。〝毒ガスもの〟として(笑)」
---「いじめ紀行 小山田圭吾の巻」 062p (村上清、『Quick Japan 第3号』1995年 太田出版)

そして当然、両者は有能であった。 サリン事件のくだりを「あえて無視する」だけで「そう読める」事を把握していたはずだ。「そう読める」と問題を突きつけられ、それに反論したとしても、相手方には最低限、サリン事件に絡んでいるという逃げ道がある。

官邸と大会組織委員会にとって、小林賢太郎、そして小山田圭吾の解任か辞任は「前提」であったのではないか。

繰り返そう、大会組織委員会は、菅義偉とファイザー社CEOアルバート・ブーラの会談を知っていたはずだ。
そしてこれも繰り返そう、当然、大会組織委員会が、東京オリンピック開会式に出席するアルバート・ブーラの両親がホロコーストサバイバーであることを知らない訳がない。

それを踏まえ、冒頭に引用した組織委員会のコメントを改めて読んでみよう。

任命責任

「小山田さんが謝罪をされて、私どもも十分理解しました。彼は今、現時点において十分謝罪をして、反省をして、倫理観を持って行動したいと言っておられます。当初、そういうことを知らなかったことは事実ではありますけれども、現時点においては、小山田さんの弁明というものをおうかがいして、引き続き、この(開幕直前という)タイミングでありますので、彼には支えていただきたい貢献していただきたいと考えています」
--- 組織委が小山田圭吾氏の留任明言 武藤氏「謝罪され、十分理解」 - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ

 結果的に小山田氏に引導を渡したのは、加藤官房長官だった。19日午前の会見で「イジメや虐待はあってはならない行為」と批判し「大会組織委員会が適切に対応してほしい」と、組織委に迫っていた。組織委は昼時点では小山田氏留任の意向を表明していたが、さすがにこれ以上世論を敵に回せなかった。
--- 【東京五輪】「イジメ自慢」小山田圭吾の急転辞任に菅官邸“介入” 五輪開幕直前スキャンダルに場当たり対応|日刊ゲンダイDIGITAL

「大会組織委員会が適切に対応してほしい」と官邸に釘を差された大会組織委員会は小山田圭吾の「辞任」を「受け入れた」。 「解任」したのではない。 小山田圭吾はこの時、大会組織委員会と官邸の間で板挟みになっていたのではないか。

さて冒頭で任命責任がどうのと語ったことを覚えておいでだろうか。 単に「大会組織委員会の任命責任」と言うにしても随分と広い範囲へ言及しなければならない。 そもそも「辞任」と「解任」どちらがマシだったのかという問題すらある。

しかし少なくとも言えることがある。

大会組織委員会は小山田圭吾問題で割を食ったか。

小山田圭吾炎上がどうもキャンセルカルチャーではなさそうだという私の視点は説明した。 しかし現実にバッシングは起こった。 なぜだろうか。 大会組織委員会が小山田圭吾に「辞任」という形を押し付け任命責任を有耶無耶にしたからではないだろうか。 大会組織委員会が食うべき割まで小山田圭吾に食わせた結果が9月声明にあった犬のウン… もといバッシングではないか。

そして大会組織委員会は、小山田圭吾のその後へ何をしたか。
水面下のことは分からない、しかし何もしていないに等しいのではないか。

当然これら全ては単に私にはそう見えたというだけの話だ。

しかし、小山田圭吾問題の本質の一端はここにあると私は確信する。

五輪反対派と小山田圭吾

ところで私は五輪反対派だ。

「五輪反対派にとって当時、小山田圭吾は単なる道具だった(過去記事「狡知 03 「東京2020」 | 敬称略雑記」)」などと真顔で言い放つほどの五輪反対派だ。

私は小山田圭吾に対してさしたる興味も無く、良くも思っていない。 ではなぜ、延々小山田圭吾がどうのこうのと喚き散らかしているか、だ。 大会組織委員会にイチャモンを付けられるなら重箱の隅でも何でもつつこうという奉仕の心が私を突き動かしているのだ。

東京2020総括の流れの中で五輪反対派はまた存分に大会組織委員会を叩く事だろう。 五輪反対派にとって小山田圭吾は単なる「道具」である。 擁護あるいは批判、どちらでもいいのだ。五輪、そして大会組織委員会を叩く材料になりさえすればいい。 小山田圭吾を叩き得られる善性はとうの昔に枯れ果てている。 お人好しのクズどもであるところの小山田圭吾擁護派はこの事をまず理解するべきだろう。 そして私が任命責任がどうのと大会組織委員会に粘着する理由もそこにある。 もし憂さを晴らしたいならそこらへんの市民を吊るすより、大会組織委員会がなんだかんだ連呼する大変活動的で建設的な運動でもしたらよろしいのではないだろうか。

扇動するなよ、って、そもそも私は五輪反対派だ。扇動するに決まっている。

ところで「東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト」が2021年12月22日、ひっそりと更新されたのをご存知だろうか。総括の流れが、始まりつつあるのだ。 私がこの更新を確認した際、何が #ARIGATO だ #DAIJOBU とでもしておけクズどもがと怒り狂ったことは言うまでもない。

五輪反対派にとって小山田圭吾問題は未だ、最前線とも言えるのだ。

外山恒一

さて私のこの連載に時折登場する外山恒一。
外山恒一が小山田圭吾問題で、「何をしたか」覚えておいでだろうか。

そう、noteにて2本、記事を公開した。

この記事の内容を踏まえ、もう一度、私のブログの過去記事「狡知 15 「深層 後編 後編」 | 敬称略雑記」、「狡知 08 「偽薬」 | 敬称略雑記」をご覧頂きたい。私が何を言いたいのか、より良くお分かりいただける事だろうと思う。

もちろんこれは、私にはそう見えたというだけの話であり、それ以上でもそれ以下でもない。 それだけはくれぐれも言っておこう。 そもそもこのブログは完璧にヨタブログの類であり、あらゆる信憑性とは無縁の地平にあることを忘れないで頂きたい。

ありがとうガースー

官邸は決して無能ではない。

首相官邸から国会図書館までは700メートルしかないそうだ。
極めて早期に誌面を入手し検証したはずだ。
そう、極めて早期に「あの誌面」を入手してしまい、そして検証してしまったはずだ。

その過程で「第99代内閣総理大臣 菅義偉」も読んでしまったに違いない。
「あの誌面」を、だ。

菅首相は『辞めさせろ!』と激怒したといいます。
--- 「イジメ自慢」小山田圭吾の急転辞任に菅官邸“介入” 五輪開幕直前スキャンダルに場当たり対応

そうですか(ニッコリ)

さすがに第99代内閣総理大臣を煽るのはやめておこう。
そして私が菅義偉に言及するのは煽るためではない。

…本当に煽ってないからな?

コロナワクチンの確保が覚束なかったあの当時。 ワクチン争奪戦の向きがあったことは言うまでもない。 小林賢太郎と小山田圭吾、そして「あの誌面」だ。厳しさ極まる局面と言わざるを得ない。菅義偉はその上でファイザーCEOとの会談を強いられた。そして菅義偉はそれらを乗り越え、ワクチン接種を加速し現役世代へのそれを成し、新型コロナ第5波の封じ込めに成功した。

私は基本的にガー… 菅義偉を評価している。

菅義偉の仕事を、少なくとも私は絶対に忘れない。

そして私達にはそれを語り継ぐ責任がある。

菅義偉が「あの誌面」とどう向き合ったのか、後世へと語り継いで欲しい。

菅首相は『辞めさせろ!』と激怒したといいます。
--- 「イジメ自慢」小山田圭吾の急転辞任に菅官邸“介入” 五輪開幕直前スキャンダルに場当たり対応

…煽ってません。

さて私は菅義偉の信徒だ。
私も菅義偉にならいガネーツャの会を発起したいほどの信徒だ。
ガネーシャの会 代表 ガースー
ガネーツャの会 代表 ヤマタカシ
字面がやばいな。 私のせいではないと思いたい。

…いや。煽ってないから。

ところで菅義偉は一般社団法人全国麻雀段位審査会の最高顧問だった事、ご存知だろうか。 私はガー… 菅義偉の信徒なので、そういう情報には明るい。

しかし22年1月現在、最高顧問はどうやら鈴木宗男(全国麻雀段位審査会 組織図)らしい。

おいおいキナ臭いな?

…煽ってないつってんだろ!!!

次回予告

(体制からのお叱りを受けていなければ)次回「(未定)」、お楽しみに!


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